「三笠」は、日露戦争中に連合艦隊旗艦として活躍した、当時世界で最も先進的で強力な戦艦でした。イギリスのヴィッカース社で完成後、日本に回航されてから日露戦争開戦までのわずかな期間、作品のように明灰白色と黒の美しいツートンカラーの塗装が施されていました。
「三笠」の動向を年表で追うと、実際にはこの状態で駿河湾を航行したことは無かったかもしれません。しかし、私はこの美しい艦が日本の象徴である富士山を背に船出する姿を描くことで、国を守る意志を抱 く「もののふ」の旅立ちの姿に見立てたかったのです。
作品中では、艦のマストが富士山に被るように意図的に描いています。これは日本の象徴である富士山に手をかざし、外敵から国を守る意志の強さを表現しています。
作品仕様
制作年: | 平成26年 |
技法: | 鉛筆画 |
サイズ: | 652×500mm(P15) |
所蔵: | 公益財団法人 モラロジー研究所 所蔵 |