巡洋戦艦 鞍馬

「鞍馬」は、日露戦争中に「筑波」型装甲巡洋艦の強化改良版として計画されました。「筑波」型に比べ排水量を約1000トン増加させ、機関と兵装を強化し、「香取」型戦艦に匹敵する砲力を有する装甲巡洋艦として5年半もの歳月をかけて建造されました。「鞍馬」型は実験的要素を含んだ艦で、本艦は従来のレシプロ機関を積んだ最後の大日本帝国海軍の大型主力艦である一方で、日本初の三脚檣(しょう:マストのこと)を備えた艦でもあります。一方で姉妹艦の「伊吹」は、従来の単脚檣の姿でしたが、心臓部には新型のタービン機関を積んでいました。
「筑波」型と同様、後に巡洋戦艦に類別されましたが、「ドレッドノート」や「インヴィンシブル」が竣工していたために旧式艦のレッテルを拭い去れず、ワシントン海軍軍縮条約締結を受け、除籍解体されました。その副砲塔のうち2基は房総半島大房崎砲台に運ばれ、要塞砲として活用されました。

作品仕様

制作年: 平成26年
技法: 鉛筆画
サイズ: 606×727mm(F20)
所蔵: 個人蔵