孤高の浮城 -戦艦 大和 2605-

「大和」型戦艦は、建造からその終焉までのエピソードが極めて印象深く、今でも日本人の心の中に大きな存在としてあり続けています。そのサイズ、速力、攻撃力の全てが、欧米列強の海軍力へ対抗するという、強い決意を表しているかのようです。帝国海軍軍人たちは、「大和」を帝国海軍の象徴として誇りに思い、「不沈戦艦大和」が戦い続けることができる限り、日本は滅びることはないと強く信じて戦いました。昭和20(1945)年4月6日、「大和」は一億総特攻の先駆けとして、戦場となった沖縄へ向け出撃しました。その翌日、アメリカ艦載機の波状攻撃を受け、沖縄へ到達せぬまま、壮絶な最期を遂げました。作品は、最終時の「大和」を描いたものです。木製甲板は黒く塗られ、中央構造物周辺には24門の連装高角砲、150門を越える対空機関銃が装備されており、その姿はまるでハリネズミのようで、あたかも自らが大艦巨砲主義の終焉を語っているようです。

作品仕様

制作年: 平成27年
技法: 鉛筆画
サイズ: 652×910mm(P30)
所蔵: 公益財団法人 モラロジー研究所 所蔵