惟、凛然として -戦艦 長門 2604-

「長門」は世界七大戦艦に数えられ、ワシントン海軍軍縮条約のきっかけともなった帝国海軍の象徴的戦艦です。完成時は世界初で最大口径の41センチ主砲と、当時としては非常に高速と言える26.5ノット(公試26.443ノット)の機動力を持つ戦艦で、世界の海軍関係者に大きな衝撃を与えました。
本作品は、捷一号作戦時に繰り広げられたサマール島沖海戦直前の「長門」を描いたものです。艦では、対空戦闘配置が下令され、マストには戦闘旗が翻ります。艦上のいたるところに設けられた銃座には、兵士たちが配置につき、空を睨みます。「長門」型の特徴とも言えるスプーンバウの艦首と、大きく張り出すように設けられたバルジが、南洋のうねりを押しのけるように航跡を作ります。迫りくる敵機を迎え撃つという緊迫感ある瞬間であっても、巨艦は凛として海を進んでいきます。
ビキニ環礁での原爆実験で「長門」が没して70周年にあたる平成28(2016)年、この作品を「長門」の艦内神社分霊元である住吉神社に奉納しました。

作品仕様

制作年: 平成28年
技法: 鉛筆画
サイズ: 455×652mm(M15)
所蔵: 住吉神社(長門国一宮)所蔵