「東」(あずま)は、大日本帝国海軍史における戦艦群のルーツにあたる艦です。もとはアメリカ南北戦争中に南軍側からフランスに発注された「ストーン・ウォール」号でした。木造艦体を重厚な防御装甲で覆った外洋航行可能な装甲艦として誕生しましたが、南軍の基地まで回航することができないまま、南北戦争は終結してしまいました。そして後に所有権を得たアメリカ政府から、明治2(1869)年に新政府側に売却されました。
本艦は当初「甲鉄」と呼ばれ、就役後すぐに主力として旧幕府軍との雌雄を決する箱館戦争に参戦しました。南部藩領の宮古湾では旧幕府軍側の「回天」と戦い、箱館港内では旧幕府軍の残存艦と壮絶な砲戦を繰り広げました。
戊辰戦争の終結後、艦名は「東」と改められ、名実ともに大日本帝国海軍創成期の主力艦として君臨し、その後勃発した「佐賀の乱」「西南戦争」に参戦しました。明治 21(1888)年に老朽化のため、除籍廃艦となりました。

作品仕様

制作年: 平成23年
技法: 鉛筆画
サイズ: 318×409mm(F6)
所蔵: 個人蔵