戦艦 薩摩

「薩摩」は、日本が独力で完成させた最初の戦艦です。日露戦争時に主力戦艦2隻を失ったことは日本にとって大きな衝撃で、自力で戦艦を建造できる能力を確保することが急務となりました。初の国産主力艦「筑波」に続き、日本は常備排水量2万トンに迫る世界最大の「薩摩」を計画し、当時の新機軸を採用しつつ約4年の歳月をかけて建造しました。しかし、建造中にイギリスが戦艦「ドレッドノート」を完成させたため、完成前に旧式戦艦となってしまいました。とは言え、東洋の有色人種の国家が独力で戦艦を設計・建造したことは、列強諸国に大きな驚異を与えました。
第一次世界大戦では、太平洋上のドイツ領を攻略する作戦に従事しました。大正12(1923)年、ワシン トン海軍軍縮条約締結により除籍されました。そして翌年9月2日、「薩摩」は実艦標的となり、房総半島野島崎沖で第五戦隊(「由良」「名取」「長良」)による射撃、並びに第五駆逐隊(「朝風」「春風」「松風」)による雷撃を受けて転覆し、千尋の海底へと消えていきました。

作品仕様

制作年: 平成26年
技法: 鉛筆画
サイズ: 727×606mm(F20)
所蔵: 個人蔵