海征く牙狼 -重巡洋艦 利根 2604-

「利根」は水上機の搭載能力に優れた重巡洋艦です。真珠湾攻撃に先んじて索敵機を飛ばし、ハワイ上空の気象と湾内の偵察を行ったことを始め、様々な作戦で索敵・偵察任務を遂行するなど、大東亜戦争序盤より艦隊の眼としての役割を果たしました。戦況が悪化していく中でも生き延び、内地に戻されました。昭和20(1945)年3月19日、海軍兵学校練習艦として呉に停泊中、米艦載機の空襲を受けて損傷し、能美島の海岸付近に移動しましたが、7月24日の呉軍港空襲時に再度被弾しました。更に7月28日の空襲時にも爆弾6発を受け、翌29日に大破着底し終戦を迎えました。
本作品は、捷一号作戦時、シブヤン海に入る直前の栗田艦隊の第二部隊(戦艦「金剛」を中心とする輪形陣)を描いたものです。「利根」に後続する艦は駆逐艦「磯風」、右舷側に進むのは戦艦「榛名」その前方奥は重巡洋艦「鈴谷」、両艦のさらに奥に小さく見えるのが駆逐艦「雪風」です。
平成28(2016)年に「利根」の艦内神社の分霊元である香取神宮で「重巡洋艦利根慰霊顕彰祭」が斎行された際、この作品を奉納しました。

作品仕様

制作年: 平成28年
技法: 鉛筆画
サイズ: 455×652mm(M15)
所蔵: 香取神宮 所蔵