二等戦艦 扶桑

「扶桑(初代)」は、大日本帝国海軍が初めてイギリスへ発注した主力艦の1隻です。同時代の装甲艦「オーディシアス」をベースに設計され、大日本帝国海軍史上初の総鉄製の艦体を持った艦でした。水線部の装甲帯には231mmの装甲が貼られ、排水量がそれまでの主力艦「東」の倍以上であり、清国北洋水師が「定遠」「鎮遠」を得るまでは、アジア唯一の近代装甲艦として君臨しました。
日清戦争では黄海海戦、威海衛攻撃において、その強力な砲戦能力を活かし、日本の勝利に貢献しました。日露戦争時には第一線艦ではなくなっていましたが、二等戦艦として旅順攻略、対馬海峡警備、日本海海戦に参加しました。日露戦争後は二等海防艦に類別変更され、明治41(1908)年に除籍されるまで31年にわたり、最初期の大日本帝国海軍を支えました。
作品は、日露戦争中にバルチック艦隊を迎え撃つため、対馬沖へ出動する「扶桑」を描いたものです。その後方には、「扶桑」が率いる第三艦隊第七戦隊の「高雄」「筑紫」「鳥海」「摩耶」「宇治」が続きます。

作品仕様

制作年: 平成23年
技法: 鉛筆画
サイズ: 318×409mm(F6)
所蔵: 個人蔵