双対の巨竜 阿形 加賀・吽形 赤城

「赤城」と「加賀」は、大日本帝国海軍が初めて保有した大型主力空母です。2隻は以後の空母戦力の増強に大いに貢献しました。大東亜戦争の序盤は、彼女たちにとってはまさに独擅場でした。第一航空戦隊を構成した「赤城」と「加賀」は、対になり作戦を遂行してきましたが、ミッドウェイ海戦では、まず「加 賀」が被弾し、その後まるでパートナーを失った比翼の鳥の如く、「赤城」も戦闘不能となりました。
「双対の巨竜」と題し、「赤城」「加賀」の2隻を描いた一対の本作品は、比翼の鳥ならぬ比翼の竜をイメージして制作しました。「加賀」の方は全幅の広く角ばった艦体形状をしていることから「雄形」とし、波を乗り越え艦底を露わにした構図から「阿形」と見立てています。また「赤城」は丸みを帯びた長い艦体形状から「雌形」とし、波に艦首を突っ込んだ構図から「吽形」と見立てています。神社の狛犬と同様に右に「阿形(加賀)」そして左に「吽形(赤城)」を配置し同時に眺めると、鳥が翼を広げたようなシルエットが浮かんでくるはずです。

作品仕様

制作年: 平成26年
技法: 鉛筆画
サイズ: 652×910 mm(P30)
所蔵: 個人蔵